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つぶやき、料理、日記など

岡井隆歌集から抜き出してみた

金冠が歯になじみゆく一日の折ふしに冴ゆかの学説は

 

一日の折ふしってのがあるような気がした。窓から光が射してるとき、昼間の静かな時間に一人でいるって気づいたとき。考えごとがなくなって立ち止まった時。そういう時に悩みが解決したような気がしたり、耳馴染みの悪かった言葉を噛み砕いたりすることが出来た気になる。あーそっか、時間も世界も本当はもっと広くて今わたしは「ここ」にいるのかって、何かから離れられた時なのかな。

朝の気分とか、夜の気分とか、ある。そういう歌もけっこうある。

 

つややかに思想に向きて開ききるまだおさなくて燃え易き耳

 

若いからだよ。っていう言い訳にすんなりいく感じがある。いろんなことに引っかかるし、勝手に怒ったり恥じらったりしてめんどくさい。それは他人も、自分も。でも若いんだし、ガンバって生きてるんだからなあー。「しゃあない」ってどこかで区切りつけれるのは、他人から何か言われたり、こうやって客観視されたときだったりする。「若いからだよ」ああやっぱり、どこかにまだ希望もあるよねって思う。

 

向日葵の太陽に向け開ききる問い疚しくなんかないさ生殖(作・tmtkkiy)

「開ききる」つながりで作った。向日葵っていう花が巨人のように見える夏だった。向日葵がが太陽に向かって咲いてるのって変な迫力があって、綺麗でもかわいいでもなくなんていうんだろう。生々しいし怖い。

 

 (勝手に挟んだ…勝手に…)

 

産みおうる一瞬母の四肢鳴りてあしたの丘のうらわかき楡

 

楡=ニレです。男である人の立場からの歌だなあと思って読んだ。男の子から見た母親と、わたしら女から見た父親はやっぱり違うのだろう。お産や結婚ていうのものは母親が一人の女性として生きてたのが親として生まれ変わらせた瞬間でもある。あとは単なる「産む」という働き。仮面、役割というのはそれにしても大きく、それを被る以前に会っていたら一人の人間対人間だったなあっていうような母親という認識に対する頼りなさを感じた。だから壊れそうに「鳴る」のかなと思う。いっぽう母親はなかなか壊れない。ただ目の前で老いて、あとは死ぬだけで。

男から見た女性とか母親って、俗世の感覚に染まってなければどんなんなんだろう。

 

荒れはててドラキュラ層の原のうへにイデオロギかる恋もするかな。

 

イデオロギーとは社会集団や社会的立場において思想・行動や生活の仕方を根底的に制約している観念・信条の体系。歴史的・社会的立場を反映した思想・意識の体系。だそうです。コピペです。

正直意味はよくわかりません。けど「イデオロギかる」のような言葉を見て「あっこういうやり方でもいいんだ」って思った。抜く、っていうんでしょうか。

 

陰毛が白毛を織りてその白のかすかに褐を帯びつつなびく

 

「褐」がまたも分からなくて調べていたら笑ってしまった。あの感じか。しかし生きてるんだからこういう歌もある。あるに決まってると思う。テレビなんかできれいな着飾った女の人が出てたりするけどあれなんかはまるきり「ハレ」の舞台だからでみるぶんにはいいかもしれないけど常に常にそういうものを求められるとなると疲れる。

男の人は、デリカシーがない。汚い。いい加減で、やさしくない。子どもっぽい。「好き」と「都合がいい」と「気持ち良い」とかを全て混同してたりとかする。パトカー好きと、お前好きが一緒の熱量だったりして。でもそういう適度に抜いた世界があったほうがよく、女のコの方もそういうさじ加減を取り入れてもいんだなって思う。

 日本の女のコ文化ってのはなんて窮屈なんだろうとつくづく思う。「いい子」って思ってもらった後でやっとちょっとだけ話せるようになるっていう感じがある。そうしないともういっぱい矢が飛んできてしまう。くだらねー矢だけど、でも足を止めるには充分だ(何しろ数が多く怨念も深い)。

 

差別して生きる。差別されながら生きる。それもこまやかに差別し、されて

 

差別されたと感じるとき、けど自分も人を差別していることに気付く。人を評価することと、されることとは表裏一体で、そのループからは逃れられない。けどそれを分かっててもこれからも自分は思考する上で差別するんだと思う。だって思考は切り離すことが出来ないから。差別することが問題なのではなく、それを態度に出すことが問題なのだと思う。そういうなんていうか、こーじゃなきゃだめ、あーじゃなきゃ悪、のような白黒つけたい潔癖さは学生時代に卒業しておきたい。人間の内側なんて、つじつまが合うはずがない。

 

 こうやって見てみると、いい、いい、って言っておきながらも意味分かる短歌の方が少ないように思った。あと他にも「なんだこれは!」と思う短歌もあったんだけど普通に索引のない短歌集なので今日は見つけれなかった。